映画「ヒア アフター」

映画「ヒア アフター」を鑑賞しました。

この映画は、クリント・イーストウッド監督がメガホンを取り、スティーヴン・スピルバーグ氏が製作総指揮を務めた死と生をめぐる感動的なストーリーをつづるヒューマン・ドラマ。
死を身近で体験した３人の登場人物が悩み苦しみ、生と向き合う姿を真摯に描いていく作品。

ストーリーは、霊能力者としての才能にふたをして生きているアメリカ人のジョージ（マット・デイモン）、津波での臨死体験で不思議な光景を見たフランス人のマリー（セシル・ドゥ・フランス）、亡くなった双子の兄と再会したいイギリスの少年マーカス。
ある日のロンドンで、死に取りつかれた３人の人生が交錯する。

タイトルにもなっている「ヒア アフター」とは来世という意味。
要するに死後の世界という事。
自分としては死後の世界なんて存在しないと思っていますが、この映画を通じて、例え死んでも、生きている人達の心の中で生きていると言う事はあるのかなと感じる作品でした。

舞台となるのはサンフランシスコ、パリ、ロンドンの３都市。
死者の声が聞こえる特殊な能力を持つが為に、他人との関わりに神経をすり減らしているジョージ(マット・デイモン）。
リゾート地で津波の被害に遭った時に九死に一生を得た女性ジャーナリスト・マリー(セシル・ドゥー・フランス)。
突然の交通事故で双子の兄を亡くしたマーカス（フランキー・マクラレン）の３人を中心にストーリーが進められていく。

それぞれ「死に直面する」と言う、同じ共通点を持ちながら、違う国で違う生活を送っていた３人だったが、何か引き付けられたかのように、ジョージとマリーがそれぞれの事情でマーカスがいるロンドンへ向かう。
マリーは仕事の為に、ジョージは傷心旅行でロンドンへ行くのだが、３人が「ブックフェア」に揃っていたのも自然な流れだったのかと思うような流れでした。

ネットでジョージの事を知っていたマーカスが、兄・ジェイソンと対話すべくジョージに接するのだが、マーカスがジェイソンの言葉をジョージを通じて伝えられるシーンは胸に来るものがありました。
マーカスの孤独な表情も印象的でしたね。

３人が抱えていた孤独や喪失感は、「死」に関わった者なら誰もが味わった事がある筈。
その孤独や喪失感を背負いながらも、前向きに生きて行こうとする３人の姿を見て、自分も前向きにさせられました。
「死」をテーマにした反面、「生」も描かれた中身の濃い作品だと自分は思いますよ。

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Comments

[KGR]

「来世」というと転生を予感させますので、やっぱり「あの世」とか「彼岸」とかのほうが私的にはしっくりきます。
とはいえ、そういうものがあるのか、もしあったとしたらどういう風に存在するのかは人によって考え方が違うと思います。
宗教的歴史的背景も違うし。

イーストウッドにとってその辺をどう扱うべきか、かなり迷ったんじゃないかなって気がしました。

[FREE TIME]

＞KGRさん
こんばんは。
自分も来世というよりは「あの世」の方が何だかシックリ来ます。
「死」をどのようにして受け止めていくのか難しいですが、劇中内の３人には共感出来る部分がありましたよｗ

[にゃむばなな]

これがクリント・イーストウッドの死生観の表れなんでしょうね。
でも個人的には『グラン・トリノ』で見せた彼の死生観の方が分かりやすかったです。

[たいむ]

死生観は人それぞれですもんね。
難しい題材でしたが、さすがはイーストウッド監督、オカルトチックに成り過ぎることなく、良かったです。

[FREE TIME]

＞にゃむばななさん
「グラン・トリノ」は鑑賞しなかったので比較は出来ないのですが、個人的にはこの作品の死生観は分かりやすかったです。
もっとも、自分はあまり「死」の事を深く考えたくないですね（汗）

[FREE TIME]

＞たいむさん
確かに死生観は人それぞれですね、
難しいテーマを扱った作品ではありましたが、ミステリアスな展開でなかったので良しとしたいです。

[メビウス]

FREE TIMEさんこんばんわ♪ＴＢ有難うございました♪

観る前は死者とのコンタクトや臨死体験といったキーワードが先行していたので、なんか毛色の違うイーストウッド作品だなぁとも思ってましたけど、超常的な要素は土台のようなもので、死を通した３人の再生の物語という本筋（？）のような部分はしっかり描かれていた分、個人的には従来のイーストウッド作品同様感動できた内容だったように思えますね。

まあ自分も正直死生観についてそれほど深く考えた事がないですし、霊能力者や臨死体験といった事も未経験なので、感情移入できたのはトーマスのエピソードだけだったかも？

[FREE TIME]

＞メビウスさん
こんばんは。
こちらこそTBありがとうございます。
自分も今までのイーストウッド作品とは異色の作品かと思っていましたが、これまでの作品同様に感動出来る作品でした。
死生観については多くは語れませんが、いつかはそのような感覚を持つ時が来るのでしょうね（汗）