映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」
この映画は、イギリス初の女性首相として強力なリーダーシップを発揮したマーガレット・サッチャーを、メリル・ストリープが演じる人間ドラマ。
1979年の就任以来、強気の姿勢でイギリスを導いて「鉄の女」と称されたサッチャーの誰もが知る姿と、その裏に隠された孤独な一面を繊細に描き出す作品。
ストーリーは、1979年、父の教えである質素倹約を掲げる保守党のマーガレット・サッチャー(メリル・ストリープ)が女性初のイギリス首相となる。
「鉄の女」の異名を取るサッチャーは、財政赤字を解決し、フォークランド紛争に勝利し、国民から絶大なる支持を得ていた。
しかし、彼女には誰にも見せていない孤独な別の顔があった。
マーガレット・サッチャー演じるメリル・ストリープがアカデミー賞の主演女優賞に輝いた作品。
昨年の同時期には「英国王のスピーチ」が話題になりましたが、今度は「英国女王」ですかw
実際に本物のマーガレット・サッチャーを見ているかのようでした。
現在も86歳で存命中のイギリス初の女性首相だったマーガレット・サッチャーの半生を描いた作品。
そのサッチャー氏は現在認知症と公表されている。
その彼女の回想と認知症であるゆえの幻想が一纏めにして描く事によってサッチャーの内面に迫る演出。
話を要約すると、政治家を目指す雑貨店の娘が結婚し、子を授かり、幸せな生活を送るが、政治家になってからは戦いの連続。
男性社会のイギリス政界に身を投じた彼女は後にイギリスの首相に就任し10年以上もの長きにわたってイギリスの政界のトップに居続ける。
しかし、力をつけるあまりに、誰の言葉にも耳を貸さなくなり、周囲からも見放されてしまい、最後は自ら首相を辞任する。
本作品は、史実に基づいた作品そのものであり、話も淡々と進められるので、ドラマというよりは実録のドキュメンタリーの印象です。
迷走していたイギリス経済を立て直した人物であり、フォークランド紛争では軍隊を派遣し、フォークランドを奪還した功績もあり。
自分が物心ついていた時のイギリス首相といえばサッチャーでしたが、当時は女性という事くらいしか知識がなかったのですが、この映画では首相として、どのような手腕を奮っていたのかを学ぶ事が出来ました。
マーガレット・サッチャーを演じたメリル・ストリープの演技も特筆もの。
首相としての貫禄ある振る舞いもフィットしていたし、認知症になってからの現実と空想の間で揺れる現在の姿も見事に表現されていました。
この映画で最も印象に残ったセリフ。
「あなたは幸せだった?」
認知症となったサッチャーが亡き夫の幻覚に語りかけるシーン。
過去の思い出が光り輝くほど、現実の孤独が深まっていくのを感じるセリフでした。
10年以上もの長き間、イギリスの首相を務め、自らの信念をぶれる事なく貫き続けたサッチャー氏は極めて優秀な政治家であったと思います。
今の日本の首相はというと毎年のように変わっている。
かつての日本にもサッチャーのような辣腕を奮っていた首相がいた。
この作品を観ていて、今の日本の政治家達が嘆かわしくなってしまいました。
この記事へのコメント
大変申し訳ありません。TBのURLを間違えて送信してしまいました。お手数をおかけしますが、削除お願いします。
改めて、正しい方を送信します。
今の日本が当時のイギリスみたいになったら誰も収束できる首相なんて出現しないでしょう。
野田首相は大丈夫なのでしょうかね(^^;)
こんばんは。
TB違いの件、承知しました。
う~ん、監督が描きたいものと観客が求めていたものが大きく違ってましたね。
サッチャー元首相は強烈なリーダーシップを発揮していたのは自分も覚えています。
何をやったかまでは知りませんでしたが。
ちょっと自分が想像していたのと違った作品になっていましたね・・・。