映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」

映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を鑑賞しました。

この映画は、落ち目の俳優が現実と幻想のはざまで追い込まれるさまを描いたブラックコメディー。
人気の落ちた俳優が、ブロードウェイの舞台で復活しようとする中で、不運と精神的なダメージを重ねていく姿を映す作品。

ストーリーは、かつてヒーロー映画「バードマン」で一世を風靡した俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。
しかし、降板した俳優の代役としてやって来たマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)の才能がリーガンを追い込む。
さらに娘サム(エマ・ストーン)との不仲に苦しみ、リーガンは舞台の役柄に自分自身を投影し始める。

先日のアカデミー賞で、作品・監督・脚本・撮影の4冠に輝いたばかり。
果たして、アカデミー賞作品がどんな映画なのかを確認する為に鑑賞してみる事にしました。

最初、「バードマン」と聞いた時に藤子不二雄の「パーマン」を思い浮かべた人は私だけではないでしょう。
その人は、決して若くありませんw

妄想と現実が交錯する内容でしたが、妄想とて決して現実離れしているわけでない。
きっと、リーガン・トムソンには妄想と現実がひとつながりになっているのでしょう。

日本でもそうだが、出演した作品が大ヒットすると、そのイメージが強くなって、その後に出演する作品にも影響しがち。
実は本作で主演を演じたマイケル・キートンは、かつてバッドマンを演じていた。
そして、舞台俳優のマイクを演じたエドワード・ノートンは超人ハルクを演じた経験があるらしく、娘・サム(エマ・ストーン)はスパイダーマン役の恋人を演じた経験あり。
こんな配役といい脚本といい、何だかスーパーヒーロー映画が幅を利かせるハリウッドに皮肉をこめているようにも感じます。

自分が関心したのは、脚本よりも、むしろカメラワーク。
カメラは舞台裏に移動し、さまざまな登場人物を捉えては動き出す。
カットのつなぎ目がないように見える映像技術もアカデミー賞に輝いた要因なんでしょうね。
その他では、軽快なドラムが奏でるBGMもイケていました。

劇中内で印象的なシーンを挙げるとなると、マイクが公演の最中に共演女優を襲おうとしたシーンと、リーガンがパンツ一丁でタイムズスクエアを歩くシーン。
そこで多くのファンに囲まれていて、スーパーヒーローの面影を感じる事が出来ました。

そして、極めつけは自分の鼻を実弾で撃つシーン。
病室で顔中が包帯に覆われていたのは痛々しかったけど、むしろ、よく生きていられたなという気持ちが強かったですね(汗)

全体的な感想としては、映画というよりは舞台劇を鑑賞しているかのような感覚。
それも、この作品が織りなす手法なのでしょう。
一度でいいからブロードウェイの舞台を観てみたいなという気持ちが芽生えました。(でもニューヨークはちょっと・・・)


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この記事へのコメント

2015年04月14日 16:49
映画俳優と舞台俳優の確執など、映画界の裏話を知っている人ほど楽しめる作品でしょうね。
一般ウケしないのはもとより、「映画を見ること」よりも「映画そのもの」が好きな人だけが楽しめる。
だからこそ製作者が多く集うアカデミー協会はこの作品を選んだのだろうと思いましたよ。
2015年04月14日 22:46
>にゃむばななさん
映画俳優と舞台俳優の違いはわかりませんが、それでも自分は楽しめる事が出来ました。
伊達にアカデミー賞受賞作品ではない事は、実際に鑑賞してわかりましたね。
2015年04月17日 12:55
こんにちは。
ヒーローものはイメージが強く残ることもありますよね。
でもマイケル・キートンもエドワード・ノートンもそんなに強い印象はないですね。そこは良かったのかな。

私も舞台劇を観てるような感じでした。
舞台でやっても面白いかもしれませんね。
2015年04月18日 22:41
>yukarinさん
こんばんは。
マイケル・キートンがバッドマンを演じていた事を知ったのは、この映画を観終わった後ですw
日本でもヒーローものを演じると、そのイメージが強くなりがちですよね(汗)
映画で観る演劇と舞台で観る演劇は違って見せてくるでしょうね。

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