映画「沈黙のパレード」

映画「沈黙のパレード」を鑑賞しました。

この映画は、東野圭吾の小説を原作にした「ガリレオ」シリーズの劇場版第3弾。
殺人事件の関与を疑われていた男の不可解な死の真相を、物理学者の湯川学らが解き明かしていく作品。

ストーリーは、数年前から行方不明になっていた女性の死体遺棄事件を警視庁捜査一課の刑事・内海薫(柴咲コウ)が捜査する。
先輩の草薙俊平(北村一輝)がかつて担当した少女殺害事件で無罪となった男が容疑者となるが、今回も証拠不十分で釈放される。
やがて男は女性の遺族たちが暮らす町に現れて彼らを挑発した後に、何者かに殺されてしまう。
男の殺害への関与が疑われる人物にはアリバイがあり、その死因も特定できない。
捜査に行き詰まった内海は、アメリカ帰りの物理学者・湯川学(福山雅治)に助けを求める。

前作の「真夏の方程式」から9年。
久しぶりに「ガリレオ」シリーズが帰ってきました。
劇場版の最新作を見る前に、17日にフジテレビで放送していたスペシャルドラマを見ましたが、あまり、今回の劇場版との結びつきはなかったおようで。

冒頭では少女が何かの祭りで歌を歌うシーンから。
その少女が今回のキーパーソンかと思いきや、殺人事件の被害者に。
東京に住んでいる当時高校生の子が、どうして静岡県で遺体として見つかったのか。
そして、その子を殺した犯人が誰なのか。
それが、今回の「沈黙のパレード」の焦点となっていきます。

アメリカから日本に帰ってきた湯川が、被害者の住んでいる街に大学の研究の為に滞在。
そして、内海も久しぶりに「ガリレオ」シリーズに帰ってきます。
湯川と内海のやり取りも帰ってきました。
中でも、ファミレスで内海が湯川に対して「血も涙もない」と言った事に対する、湯川の反論も参考になりました。

そうこうしている内に、一度は容疑者とされながらも証拠不十分で釈放された蓮沼が殺されてしまいます。
蓮沼は15年前の少女殺人事件でも容疑者として逮捕されるが、証拠不十分で無罪判決を受けた過去があります。
そして、その蓮沼は性格にも問題があり、並木家を訪れては暴言を吐いて並木家と、その周辺の人物から恨みを買います。

今回、蓮沼が殺された事によって、多くの容疑者が浮上してきます。
15年前の事件にも関わっていた湯川の友人でもある草薙刑事(北村一輝)としては、やるせない日々が続きます。
釈放後もマークしていた人物が何者かに殺され、自分が救おうとしていた人が容疑者になるのかもしれないわけですから。

そのうち湯川の助けなどもあって犯人が明らかになっていくのですが、犯人が二転三転していく様は、このシリーズならではなのかなと思いました。
犯人が自主してきた時には、まだ上映時間が残っていたので、他に犯人がいるのだろうと思っていました。
そして、湯川が犯人と突き止めた人物にも、逆に殺していない証拠が見つかります。(傷害致傷にはなりますが)

誰かを守るためにウソをつく。
こういうのは、正直どうなのかなと思います。
1つウソをつくことで、新たに別のウソをつかないといけない。
結局、1つのウソで多くの人が振り回される形となりましたね。

それと被害者の並木佐織。
歌手を断念するのは本人が決める事だから仕方ないにしても、その止める理由があまりにも短絡的なものでしたね。
そして、ずっと指導してきた人に対しての、あのセリフ。
どっちにしても歌手として大成出来なかったのでないかと思ってしまいます。

結局、真犯人を特定できないまま、この「沈黙のパレード」は終了します。
原作も、こういう結末だったのかどうか気になりました。

このシリーズでは、草薙刑事の葛藤が描かれた作品。
蓮沼が殺した証拠を突き止めたとしても、容疑者不在で解決されてしまうわけですし。
湯川も、そんな友人が苦悩する姿は見たくなったかと思います。

そういえば、今回の作品で湯川が壁に数式を書きまくるシーンがなかったですね。
スペシャルドラマでも車に描いていたというのに。
そこは、いつも通りやってほしかったです。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック