映画「朽ちないサクラ」

映画「朽ちないサクラ」を鑑賞しました。

この映画は、柚月裕子の小説「朽ちないサクラ」を実写化したサスペンスミステリー。
県警の広報職員の女性が、親友の殺害事件を独自に調べるうちに思わぬ真相と背後にうごめく公安警察の存在にたどり着く作品。

ストーリーは、愛知県のある町に暮らす女子大生が、執拗なストーカー被害を受けたのち、ある神社の長男に殺される。
その後、地元新聞のスクープによって、警察が女子大生からの被害届の受理を遅らせ、その間に慰安旅行に行っていたことが暴かれる。
県警の広聴課に勤める森口泉(杉咲花)は、親友の新聞記者・津村千佳(森田想)が記事にしたのではと疑うが、千佳は身の潔白を証明すると告げた1週間後に死体で発見される。
彼女を疑ったことが事件につながったのではと自責の念を抱く泉は、自らの手で犯人に迫ろうとする。

先月までフジテレビ系列で放送していたTVドラマ「アンメット」に主演として出演した杉咲花。
なんか最近の彼女は薄幸な女性を演じる事が多いような。
今回も殺人事件が絡んでいて、どこまでダークな展開なのかと思い劇場鑑賞する事にしました。

冒頭では何者かが女性の顔を水槽に突っ込んで息を出来ないようにして殺害し、その後、死体を川に捨てるシーンから。
そして、その後に愛知県内で起きた女子大生がストーカーに殺される事件のニュースが流れてきます。
てっきり、最初は冒頭の殺害シーンがストーカー殺人事件なのかと思っていました。

この女子大生ストーカー事件について、管轄の警察署の生活安全課がストーカーの被害届をすぐに受理せず、先延ばしにした理由が署員の慰安旅行だった事が地元新聞にスクープされてしまいます。
その経緯に関して愛知県警の広報広聴課職員である森口泉が疑問を感じました。
実は、記事が出る前にスクープした新聞社に勤務する親友の津村千佳にうっかり情報を漏らしていたから。
それで千佳が裏切ったのかと思う事になります。

千佳は自分が記事にしたわけではない事を泉に告げ、記事の出所を突き止めようとします。
しかし、千佳は変死体で発見され、今度はカルト的な宗教団体と公安警察の事件への関与が浮上してくる事に。

この映画で出来ていた主な事件は殺人事件2件に過去に起きた地下鉄サリン事件のようなテロ事件。
これらの事件が話が進むにつれて1つの線で繋がっていく。
そして、千佳の殺人には泉にとっても大事な人が絡んでいた。(あくまで推理の段階でしたが)
あくまで推理の段階で終わりましたが、これが本当だとしたらと思うと、警察も怖いなと思ってしまいます。
こういった話の流れを振り返ってみると、公安、カルト宗教団体など組織の闇に迫る主人公を警察の女性事務職員にした事で、一般人に近い感覚で観たような気分でした。

この映画では主演の杉咲花と、広報広聴課課長・富樫を演じた安田顕が目を引きますね。
杉咲花は今回は不幸な目には遭わなかったけど、親友が殺された事で必死に解決させようと動き回る姿が良かったし、安田顕は渋みのあって、滅多に表情を出さないのが良かった。
この2人が終盤に食事しながら事件の全容について話し合うシーンは秀逸。
お互いに目力が強かったです。
あと、梶山刑事を演じた豊原功補も骨太な演技でした。

この映画のタイトルである「朽ちないサクラ」。
サクラの意味は途中で明らかにしますが「朽ちない」の意味は最終盤になって明かされます。
その意味が分かった時は、ちょっとゾッとした気分になった人もいたかと思います。

最後、泉は警察事務の仕事を辞めて警察官を目指す事を決意します。
果たして警察官になった事で真実に辿り着く事が出来るのか。
それが分かるのは、まだまだ先の話という事ですね。

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