映画「夏目アラタの結婚」

映画「夏目アラタの結婚」を鑑賞しました。

この映画は、乃木坂太郎の漫画を実写映画化。
元ヤンキーの児童相談所職員が、獄中の連続殺人犯にプロポーズしたことから始まるストーリーが展開される作品。

ストーリーは、元ヤンキーの児童相談所職員・夏目アラタ(柳楽優弥)は、ある連続殺人事件の遺族から相談を受け、獄中の死刑囚のもとを訪れる。
訪ねた相手の品川真珠(黒島結菜)は、日本中を騒然とさせた「品川ピエロ」の異名で知られる連続殺人犯だった。
事件の真相を探ろうとするアラタは、彼女に獄中結婚を持ち掛ける。

原作は未読。
劇場の予告編で面白そうだったのと、堤幸彦監督の作品である事から劇場鑑賞してみる事にしました。

まずストーリーは児童相談所職員の夏目アラタが、父親が行方不明中の担当児童に頼まれ、その子が夏目アラタの名前を勝手に借りて文通をしていた連続殺人鬼・品川真珠の面会へ行くことになります。
しかし初対面するや、品川真珠に自分が文通をしていた相手ではないと見破られてしまいます。
そこでアラタは、彼女に獄中結婚を申し込む事に。

詳細を書くのはここまでにしますが、品川真珠の複雑な生い立ち、アラタの心境の変化など時間が経つにつれ分かりやすく描かれていました。
サスペンスでもなければ恋愛ものでもない。
社会問題なども取り上げられていて、決してフィクションで済ませてはいけないと思う内容でした

真珠の担当弁護士である宮前光一(中川太志)は、アラタに真珠の秘密を教えます。
真珠の母親は育児放棄気味であった事、真珠は小学校時代のIQは同学年の子と比較しても極端に低い数値だったのに、逮捕後に精神鑑定を受けたら一般人と変わらないIQであった事。
現実的に、そこまで上がるのはあり得ないので、８歳から現在までの間に何かあったのだと推測します。

真珠の母親が真珠にしてきた事に、やたらとカロリーの高いものを食べさせたり、歯医者に行って虫歯の治療をさせようとしなかったり、普通に見れば不可解な事ばかり。
その謎も次第に明らかになり、次から次へと謎が解けていく過程も分かりやすく構成されていました。

主演の柳楽優弥は存在感ありましたが、この映画では品川真珠を演じた黒島結菜に目を奪われました。
某朝ドラでは脚本が酷かった事から主演の彼女もバッシングされていましたが、今までの明るい役柄から影のある不気味な役柄を演じた事で、彼女の新境地を見た気がしました。

最終的に死刑を免れ懲役刑の判決を受けた真珠。
果たして出所して夏目アラタと本当に夫婦生活を送る日が来るのでしょうか？