映画「少年と犬」

映画「少年と犬」を鑑賞しました。

この映画は、第163回直木賞を受賞した馳星周の小説「少年と犬」を実写化したドラマ。
ある少年に会うために東北から九州へ向かう犬が、行く先々で出会った人々と交流する作品。

ストーリーは、東日本大震災から半年後の仙台。
職を失った和正(高橋文哉)は、震災で飼い主を亡くした犬・多聞を飼うことにするが、多聞はことあるごとに南の方角を見つめていることに気付く。
多聞と絆を育む和正だが、窃盗団に関与したことで事件に巻き込まれ、その混乱の間に多聞は姿を消す。
その後多聞は滋賀で美羽(西野七瀬)という女性と過ごしていたが、そこへ多聞の後を追ってきた和正が現われる。
2人と1匹の生活が始まるものの、多聞は和正と美羽のもとを離れ、南の方角を目指して歩き始める。

大事な人に会うために長年の月日をかけて長い距離を旅する犬の物語。
その犬を通じて過ちを犯した2人の人間が心を通わせる。
人間だって岩手から熊本まで歩くだけでも大変なのに、犬がそれをするなんて非現実的ではありますが、再会を果たすシーンは良かったですね。

タイトルにもなっている「少年と犬」。
少年とは誰の事なのかと思っていましたが、流石に和正ではなかったですね。

2011年の東日本大震災によって職を失って窃盗団に加担した宮城県に住む和正。
だらしない恋人に振り回され、風俗の仕事に就く羽目になった滋賀県に住む美羽。
それぞれ犬と多聞と偶然出会う事に。
多聞は、その2人や周辺の人物の傷ついた心を救っていきます。

その多聞も大事な人が移り住んだ熊本に辿り着き再会を果たします。
2011年の仙台から始まり、2016年の熊本で終わる。
2016年の熊本といえば、大きな地震があった年。
東日本大震災と熊本地震の両方で被災した人なんて、実際にいたのだろうかと思いながら観ていました。

自分が思い描いていたストーリーとは随分と異なっていましたが、やはり犬の多聞に目が行ってしまいました。
何も言わずに人の心に寄り添っていく。
和正も美羽も少年も多聞によって救われた感じだっただけに、多聞の結末には、ちょっと残酷だったなと思いました。

この記事へのコメント