映画「8番出口」

映画「8番出口」を鑑賞しました。

この映画は、ゲームクリエイターの KOTAKE CREATE が制作した、異変探しゲームを原作にしたドラマ。
無限にループする地下通路で、そこに迷い込んだある男性が8番出口を目指す作品。

ストーリーは、どこにでもありそうな地下鉄の駅に、ある男性(二宮和也)が閉じ込められる。
そこは地下通路が無限にループする世界で、そこでは異変を見逃すことなく、万が一異変を見つけた場合はすぐに引き返すのがルールだった。
もし異変が見つからなかったときは引き返さずに、最終的に8番出口を見つけてそこから外に出なければならない。

冒頭のシーンは赤ん坊がラッシュ時の地下鉄内で泣き叫ぶところから。
そんな赤ん坊を抱く母親に対してサラリーマンが怒鳴りつけます。
こんなシーン必要なのかと思っていたのですが、この冒頭のシーンが後半に繋がっていきます。

ドアの近くで立っていた男は駅を下りて、新しい派遣先へ向かうべき外へ出ようとしますが、出口が見当たらず。
同じ道を何度も歩く羽目になります。
そして、男は「迷う男」と字幕で紹介される事に(汗)

おかしい事に気づいた迷う男は、通路の壁に以下のような案内表示を目にします。
異変を見逃さないこと
異変を見つけたら、すぐに引き返すこと
異変が見つからなかったら、引き返さないこと
8番出口から外に出ること

そこからはゲーム感覚で話が進んでいきます。
同じ事の繰り返しのように見えますが、1回ごとに微妙に景色が変わるのを見逃す事が出来ません。
もちろん、異変がないまま次へ進む事もありますが。
劇場で観ていた観客も同じ気持ちで異変を見つけようとしていた人が多かったかと思います。

視点は「迷う男」だけでなく「歩く男」や女子高生、少年などが登場してきます。
彼らも、また地下鉄の通路で迷い8番出口を探していた者同士。
登場人物の視点を変える事で、見えてくるものも違ってくる事を実感しました。

結局、「迷う男」も「歩く男」も紆余曲折を経て8番出口まで辿り着く事になります。
ただ、同じ8番出口でも行き先が違う。
「歩く男」は外に出て、「迷う男」は冒頭に下車した地下鉄のホームへ。
そこで冒頭のシーンが再び出てきます。
冒頭では見て見ぬふりをして下車した「迷う男」。
彼の決断した先は想像出来つつも続きを見てみたかったですね。

主題歌がクラシックの名曲「ボレロ」。
同じリズムを何度も繰り返し演奏する曲なのですが、演奏を繰り返すごとに演奏する楽器が増えていきます。
今思えば、この映画のストーリーにマッチしていますね。
同じ道を歩くごとに異変も変わっていくところが、まさにそれでした。

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